ベトナム3・クイニョン

ベトナム・クイニョン 1

 朝食のフランスパンは焼きたてでおいしい。目玉焼きとホワイトコーヒをたいらげる。
 6時半、迎えにきたバイクに5ドル払って国道1号へ。10キロ程度の道のりだ。国道でもクイニョン行きのバスが通るのを20分近く待って呼び止めてくれた。ほんま旅行者に親切な国だ。
 おんぼろのマイクロバスには外国人は1人もいない。編み笠かぶったおばちゃんたちがひしめきあい、屋根上には鶏やらなんやらを積んでいる。料金は10万ドン(7ドル)。
 アクロバティックな運転はスリルがある。対向車がいても平気で追越しをかける。「タンキー」という街をぐるりとまわって客を集め、ソンミの虐殺で有名なQuangaiを通過する。藁こづみを大きくしたような、枯れ草か藁を積み重ねたものが点在している。牛のえさにするのだろう。てっぺんをとんがらせたり、リボンのように結んだり、
 川や田んぼの水たまりにはアヒルが群れている。これが昨夜の肉になるわけだ。
 Tam Quanの道路わきの食堂で休憩となる。昼飯をとる人が多いが、やめておく。かわりに大きな柑橘を食べる。5000ドン。味はザボンのようでさっぱりしている。ベトナム人は塩やニュクマムをつけて食べている。
  14時前にクイニョンのだだっ広いバスターミナルに着いた。オートバイの客引きに「中心部は10キロは離れてるぞ」といわれるが、最初はうそだと思った。が、本当だった。1万ドンで町の中心にあるDien Anhホテルまで送ってもらう。ツインでエアコンがついたきれいな部屋が13ドル。
 シャワーを浴びてから散歩に出る。観光客がいないフツウの町だ。
  まずは市場へ。漁港があるだけあって魚が豊富だ。「これなあに」「写真とらせて」「ついでにあなたのことも撮るよ」といつものパターンで撮らせてもらう。言葉がわからんから、写真を撮るしかないのだ。その点デジカメはその場で写真を見せられるからよい。

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ベトナム・クイニョン2

 蟻食いの鼻先のように海に突き出た岬に向けて歩く。
 途中、サトウキビの皮をむいている人たちがいた。70歳くらいのおばあさんから17,8歳の女の子までの一家だ。こういう作業ってなぜか絵になる。
  公営ビーチだという砂浜では夕日をあびてランニングする人が1人2人。ビーチがとぎれた浜辺では、桜海老のようなピンク色の海老を大量に干している。沖にある巨大な網はおそらくこの海老を獲るためのものなのだろう。声をかけたら照れながら撮影に応じてくれる。
  さらに奥にいくと太刀魚のような長細い魚を開いて干物にしている。名前をきいたら「フォー」というが、もちろん日本名はわからない。水揚げの場面を見られたら楽しかろう。
 ビーチ沿いの道路では中学生くらいの子らがサッカーをしている。「イナモト」「ナカタ」と話しかけられる。
 市場のわきをとおって中心部にもどり、ガイドに書いてあった食堂「Com Binh Dan」に入る。店先においてある一品料理を選ぶ定食屋さん。肉ではなく魚の煮つけを選んだ。ご飯の上に、青菜や竹の子、もやし?の炒めたものを載せてくれる。野菜たっぷりで健康的だ。好みでニュクマムをかけて味を整える。氷入りのビールをのんで17000ドン、1ドルちょっとだ。鯖のみそ煮のような料理は長期旅行者には懐かしい味だろう。
 フエもホイアンも快適で楽しい町だった。クイニョンにはそうした心地好さはないが、フツウの人の暮らしが息づいている。旅行者はけっきょく貧乏旅行とはいっても、「観光地」を心地よいと思うし、現地の人の心のなかに入っていくのは難しいのだ。
 学生時代、チベットやビルマ奥地を歩いたときの高揚感も、けっきょくは旅行者独特の上っ面な感傷でしかなかったのかもしれないなあ、などと、今さらながら思った。

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